[CCH News Vol.12]加賀STEAM事業についてインタビュー

こんにちは!
いつもCCHNewsをご愛読いただきありがとうございます。
コンピュータクラブハウス加賀(CCH)コミュニティマーケターの古岡です。

CCHは石川県緊急事態宣言の発出に基づき、5月12日より休館となっております。
寂しい気持ちもありますが、さらにみなさんにCCHを利用してもらいやすくなるよう、機材のマニュアル整備などを進めながらメンター一同開館に向けた準備をしております。

今日のCCHNewsでは、CCHの営業時間以外でメンターが関わっている「加賀STEAM事業」についてご紹介したいと思います。
2021年度、加賀STEAM事業を担当しているメンターの田中遥太さんにインタビューしてみました。

Q,最近「STEAM教育」という言葉をよく聞きますが、STEAM教育とは何ですか?
「STEAM教育」とは「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」 「芸術・教養(Art)」「数学(Mathematics )」の5つの頭文字からつくられた言葉です。
いろんな領域を横断しながら、さまざまな視点からテーマについて考え、自分の発想などを形にすることを学びます。

Q,加賀STEAM教育とは?
2020年より小学校でのプログラミング授業が必修となりましたが、
加賀市では全国に先駆け2017年から小・中学校でのプログラミング教育を総合的な学習の時間に取り入れています。
中学校の場合、市内中学校全てで2年生を対象に14時間ずつの総合的学習の時間に授業を進めています。

内容としては、各学校設定したテーマに沿って、発表資料を作っています。
学校によってテーマは異なりますが、
例えば、10年後自分たちの住む加賀市が住みやすくなるために
いま抱えている課題(ごみ、治安、環境など)について考えて、
最終的には解決策や現状をスライドにまとめ発表します。

Q,みんなのコードの関わり方はどのような形でしょうか?
授業自体は、学校の先生を中心に
東京の講師、地域の特別講師の方とオンラインで繋ぎながら進んでいます。
私たち加賀のメンバーは実際に学校現場にサポートとして入り、
子供たちが作業している時間などで個別に端末やソフトの使い方を教えたり
子供たちのアイデアを深め、より膨らませていくためのお手伝いなどをしています。

Q,遥太さんが加賀STEAMに関わりたいと思ったきっかけや、思いはありますか?
CCHでの仕事はとても楽しくやりがいもあるのですが、
CCHの外の世界や実際の教育現場を体感したい・そして加賀STEAMという新しい試みを自分もその一員として形作っていきたいという思いがあり、参画しています。

Q,どんな部分にやりがいを感じますか?また入ってみて感じたことは?
テクノロジーに興味がない子供達と関わる経験や
教師側の視点で公教育に参加できている点にはやりがいを感じています。
プログラミング授業とは違って、デザインや数学など
課題に対する切り口が無限大なので、子どもたちそれぞれが自分の得意な分野で授業を進められるという点が良いですね。

また、私が学生だった時代とは全く授業風景が違うな〜と感じています。
私たちの時代はノートと黒板にらめっこで黙々と作業している時間がほとんどでしたが、
加賀STEAMでは生徒達がお互いのタブレットを見せ合って意見交換をしたり、使い方を教え合ったりしています。

一方通行ではなく、双方向型のコミュニケーションが自然に展開されているのを見ると、次世代の授業だな〜と感じます。
休み時間にも友達同士でノートパソコンを見ていたりして、面白いです。

Q,大変なことはありますか?
一口に加賀STEAMといっても、
学校ごとにテーマも取り組み方もかなり違うのでそれに対応していくのは難しいですね…
テーマも将来の加賀市とは?など、答えがなく、大人でも回答ができないものが多いので。
あとは、子どもたちもこういった形式の授業にはまだ不慣れで
手が止まってしまう子も少なくないので
いかにしてとっつきやすく、かつ楽しんでもらえるか頭を悩ませています。

楽しんで考えてもらえるように
「もし、あなたが大人だったら・お金をたくさん持っていたら・相手の立場だったら、どうする?」
などの声かけで、今ある価値観や視点を少し変えられるようなアプローチを心がけています。

Q,これからの目標を教えてください。
いま関わっている子どもたちには
STEAM授業を通じて、正解のない課題に対して取り組む力を養い
それらを自分ごととして考えられるようになっていって欲しいなと考えています。
また、今年度は授業の内容がある程度決まった段階で参加しましたが
継続的に関わっていって、授業を作る段階から関われたら嬉しいなと思っています。

ありがとうございました!
開館時間以外でもCCHのメンターたちはテクノロジー教育に関わっています。
CCHはこれからも子どもたちにとってより良い環境が作れるように努力していきますので引き続き応援くだされば幸いです。